カープ島内颯太郎に対する評価まとめ!新人王なるか?
2018年のドラフト会議で、広島東洋カープは2巡目で九州共立大学の右腕、島内颯太郎(シマウチ ソウタロウ)投手を指名しました。カープには彼と同じ九州共立大学出身の大瀬良大地投手が所属して新人王を獲得しており、高く期待をされている選手です。今回はそんな彼のドラフト時点での評価と共に、新人王の可能性について検証をしていきたいと思います。
ドラフト時の評価
島内投手は光陵高校時代、2年生の時からエースだったものの、最高成績は3年夏の3回戦進出。甲子園出場経験もなく、大学では2年生の春にリーグ戦デビューをするものの、秋には右肘の離断性骨軟骨炎でリーグ戦も出場できていません。なのでそれまでは目立った実績もなく、あまり評価も高くはありませんでした。
しかし、大学3年の春に球速が一気に7km/hアップし、秋にはリーグ戦で3勝を挙げて防御率も0.64。リーグ優勝に貢献し、MVPを獲得したことで評価が上昇しました。4年生になると、春のリーグ戦では負けなしの4勝。しかし制球を意識するあまり、持ち味である伸びのあるストレートの威力が見られず、評価が厳しくなりました。
ベンチに戻る島内
(2019.6.28 ハマスタ)#carp#広島東洋カープ#島内颯太郎 pic.twitter.com/OW9nYohCmH— テッシ@7/16ハマスタ (@tesssi_carp) July 21, 2019
それでも秋には初めて先発1番手の座を掴み、過去最多の5勝(0敗3完投1完封)を挙げてベストナインになりました。また、大学入学時に最速142km/hだったストレートも、大学進学後に10km/h上げることに成功。この年のドラフトの目玉と言われた選手は、4年生の秋に調子を落とす選手が多い中、復活した彼にはスカウトの評価も急上昇。全国トップクラスの大学生投手にも劣らない、と高く評価がされました。
そんな中で島内投手は、「3位以上で指名を受けたらプロに行くが、評価が低ければ社会人野球でもう一度力をつけ、高い評価を受ける選手になってプロに行く」と表明したことで、指名漏れの可能性も噂されました。しかし、早くから注目していたカープが2位で指名。
カープは現場から即戦力投手の獲得を要望されており、球速も出て体も強いことを指名の理由に挙げました。スカウトの田村恵さんと末永真史氏さんは彼について、「バランスの良い投球フォームから力強いストレートを投げ、チェンジアップ、フォークボールで三振を取れる投手」と評価しています。
新人王なるか?
2019年、島内投手は前半戦を終えた時点で、いずれもリリーフで14試合に登板し防御率は4.11。勝利やホールドの記録は無く、どちらかと言えば得点差のある楽な場面での登板が中心です。15イニングと1/3を投げて奪三振14個と、投球イニング数に近い三振を奪っている一方、与えた四死球も14個と非常に多くなってしまっています。
そんなコントロールの悪さが、勝負所で使いにくい要因となっているようです。また、セ・リーグで新人王の資格を持っている投手では同じ広島カープの床田寛樹投手、横浜DeNAベイスターズの上茶谷大河投手が既に前半戦だけで5勝を挙げています。
1年目、苦しいことも悔しいこともいっぱいあるだろうけど、がんばってほし……#島内颯太郎
(2019/07/04 マツダスタジアム) pic.twitter.com/2oYHugRasH— †┏┛ハッカ┗┓† (@Min10photo_xx) July 4, 2019
こういった投手に比べると、インパクトに欠けている感じは否めません。仮にここから新人王を目指すとなればコントロールを磨き、ホールドが付くような場面での登板機会を増やすか、プロに入ってから154km/hにまで上げたストレートの球速を更に磨くかになるでしょう。
現在は平均すると、ストレートは140km/h台中盤くらいを出しています。ここから常時150km/hを超えるようになり、力でバッターをねじ伏せるピッチングができるようになる必要があるでしょう。
まとめ
いかがでしたか?大学時代までの主な変化球はフォーク・チェンジアップ・縦のスライダーで、現代の投手にしては珍しく横に曲がる変化球を投げない投手でした。プロではこの球種のレパートリーで抑えていくことは難しいと考えられ、この先新たな球種をマスターし、更にステップアップしていけるかどうか注目していきたいところです。