島袋洋奨が戦力外通告を受け、現役引退へ・・・
腰をひねって打者に背中をみせるトルネード投法がトレードマーク。この投法を武器に、2年春から4季連続で甲子園に出場。
2010年夏の全国高校野球選手権大会で春夏連覇を成し遂げた興南高校で、かつてはエースだった島袋洋奨投手が現役引退を発表しました。大学を経てソフトバンクホークスに在籍した、彼の軌跡をご紹介します。
興南高校時代の活躍
生年月日:1992年10月24日
出身地:沖縄県宜野湾市
沖縄の強豪として知られる興南高校で、1年の夏からベンチ入り。2年春の甲子園では、初戦で10回を投げて2失点。自責点0の19奪三振という圧巻のピッチングでした。
鮮烈デビューを飾ったものの、惜しくもチームは敗退。夏は初戦でサヨナラ負けだったのですが、この時対戦した投手がのちにホークスでチームメイトになる、当時明豊高校の今宮健太選手でした。
島袋洋奨 (ソフトバンク・26歳) 現役引退。
2010年 “琉球トルネード”と呼ばれ、独特のフォームで沖縄・興南高校を史上6校目の春夏連覇に導き、一躍話題となった。
5年間のプロ野球人生、本当にお疲れ様でした#島袋洋奨 #sbhawks https://t.co/XaBgOMGt64 pic.twitter.com/4wp4MoONPb
— エピコロイドokz. (@okazu_yeah) October 22, 2019
3年春の甲子園では全5試合に先発。計46回を投げて8失点(自責点6)、防御率わずか1.17という驚異のピッチングで、興南高校を春夏通じて初の甲子園優勝へと導きました。
さらに同年夏の甲子園でも全6試合に先発し、計51回を投げて12失点(自責点11)、防御率1.94という素晴らしいピッチングで史上6校目となる春夏連覇を達成。またこの時、野球部には県民栄誉賞が贈られました。
甲子園での通算勝利数11は、横浜高校の松坂大輔投手に並ぶ歴代5位。その後、本人の意向で中央大学へ進学。
新人開幕投手として登板した1年生時、リーグ2位となる0.99の防御率を記録するなどして新人賞を受賞。大学での通算成績は、47試合で312回1/3を投げ12勝20敗、防御率2.16。ただ大学では、度々怪我に悩まされました。
プロでの主な成績
大学4年秋にプロ志望届を提出。当初は阪神タイガースが指名を検討しているとも報じられましたが、最終的にはソフトバンクホークスが5巡目で指名。
しかし、投手としてなかなか芽の出ない日々が続きました。1軍での登板は、1年目の2015年での2試合のみで、2018年からは育成契約となっていました。
2019年も2軍での登板は3試合のみ。1勝1敗で防御率6.00。さらには3軍でも26試合に登板して3勝8敗、防御率5.65という成績でした。その後も支配下登録されないまま、戦力外通告を受けてしまったのです。
戦力外→引退へ・・・
2019年10月1日、ホークスから戦力外通告を受けました。そして10月21日、自身のインスタグラムで東浜巨投手と一緒に写っている写真など、複数の思い出の写真と共に現役引退を表明。
ホークスで過ごしてきた日々を振り返り、「とても素晴らしい環境の中、一流の方々と野球をやれたことが私の財産になりました。また応援していただいたファンの皆様、ありがとうございました」と、球団とファンに対して感謝の言葉を綴っていました。
興南高校で、エースとして2春夏連覇を達成。この偉業は今でも多くのファンの記憶に残っているでしょう。高校時代に指導していた我喜屋優監督は、「次の生きがいや、こっちがいいと思える道がこれから必ず見つかる。彼はそれができる人」とコメントしいます。
選ばれた野球の才能の持ち主の中で、さらにほんの一握りしか成功できないと言われるプロの世界。そこで得た経験は、必ず島袋投手のセカンドキャリアに生きててくるでしょう。彼の今後に期待したいですね。