野村克也が村上宗隆に送ったアドバイスとは?「お粗末極まる。素人か?」
ヤクルトスワローズの村上宗隆選手は、今やヤクルトの4番としてのみならず、日本のプロ野球界を代表する選手になりました。
2021年はヤクルトがリーグ優勝を果たしましたが、その中で村上選手は本塁打王のタイトルを獲得し、セ・リーグのMVPを受賞。
また、東京五輪の代表メンバーにも選出され、金メダル獲得に大きく貢献しました。
しかしそんな村上選手といえども、プロになって順風満帆だったわけではありませんでした。
三振数の日本人選手最多記録を更新したり、守備でのミスの繰り返しを不安視する声も多く囁かれました。
その中で、ノムさんの愛称で親しまれた故・野村克也元監督との出会いがありました。
名選手にして名監督
現役時代には捕手として三冠王に輝き、監督としては村上選手が現在所属しているヤクルトに加え、南海ホークス、阪神タイガース、楽天イーグルスで指揮を執った名監督でもあるノムさん。
村上選手に対しては、時に厳しい言葉も交えてアドバイスを送っていました。
野村元監督が残した言葉の中に、「三流は無視、二流は称賛、一流は批難」という格言があります。
時に厳しい言葉も交えて接していたというのは、野村元監督が村上選手を一流だと感じていたからこそだったのかもしれません。
ノムさんがヤクルトの監督をしていた時は、ベンチで古田敦也選手が野村監督の側にいてよく怒られていた姿が印象的でした。
怒られていたと言ってもそれは愛の鞭であり、テレビで第三者的に見ていても、古田選手は野村監督に本当に好かれているように見えました。
そんな愛情が、時代が流れて村上選手にも与えられていたのかと思います。
野村元監督は、阪神で監督を務めた時にはメジャーリーグにも挑戦した井川慶投手を育てた実績があり、楽天の監督時代にはマー君こと田中将大投手を育てた実績があります。
野村克也と村上宗隆
様々な一流のプロ野球選手に大きな影響をもたらしてきた野村元監督から、アドバイスをもらったこともある村上選手。
のちのプロ野球人生にとって大きなプラスを野村克也氏から受け取ったと思われます。
村上選手が19歳の時、守備でのミスを重ねたことから、ノムさんからは厳しいコメントが相次ぎました。
ファーストフライの落球に対しては、「お粗末極まる」とコメントし、バント処理でのミスには「素人か?」とコメント。
しかし、それらのコメントは、毒ではなく愛情の裏返しだったのかもしれません。
村上選手はそのミスがあった試合でタイムリーヒットも放っており、活躍も見せています。
守備のミスで厳しいコメントを残された村上選手でしたが、その後野村元監督に電話でアドバイスをもらっていました。
「調子が悪くなると、『バットに当てなければ』と考えてしまう。どういう気持ちで打席に立てばいいですか?」と悩みを打ち明けた村上選手。
それに対し野村元監督は、
「打席に入ってボールを見るとか、にらみつけるとかって意識したことある?フォームがどうのこうのって考えてもしょうがないから。本当にバッティングの原点。ボールをよく見るという意識でやった方がいい」
とアドバイスしました。
野村元監督は2020年2月にこの世を去りましたが、前年の2019年に村上選手は36本塁打をマーク。
村上選手は自身が活躍する姿を見せることで、アドバイスを頂いたりした恩返しができたと言えるでしょう。
そして、2021年にヤクルトが優勝した時には、ノムさんも天国から見ていたと思います。
2021年の村上選手は39本塁打、112打点をマークする素晴らしい記録をシーズン通して残しました。
さらに、同年に開催された東京オリンピックでも、村上選手は金メダルのかかる大一番でホームランを放ちました。
未来へ
2022年時点で、ヤクルトは高津臣吾監督が指揮をとっています。
高津監督もノムさんの愛弟子です。
高津監督は野村ID野球の精神を引き継ぎ、2021年にヤクルトを日本一に導きました。
村上選手は野村元監督からも直に学ぶことができ、その野村元監督のもとで学んだ高津監督からも学ぶことができ、「ノムラの考え」を学ぶには十分な環境にいると思います。
村上選手が学んだ「ノムラの考え」はプロ野球の現場において、とても役立っていると思います。
高津監督は、野村元監督が過去に獲得した三冠王を獲得するよう村上選手に指令しましたが、順当に行けば三冠王獲得に大きな期待が持てるでしょう。
高津監督も野村元監督のように、時に厳しい言葉を村上選手にかけることもありますが、これもまた高津監督が村上選手を一流の選手にするための愛情だと思われます。
野村克也さんが残した言葉に、「縁を大切にすると人生はより豊かになる」という名言があります。
高津監督と村上選手と野村元監督は各人との出会いの縁を大切にしていると思われ、
そのプロ野球人生は素晴らしく豊かな人生に見えます。
2021年にヤクルトは優勝しましたが、チームは翌年以降も優勝に向けて動いていくでしょう。
2022年もホームランを量産し、大活躍する村上選手の姿が思い浮かびます。
野村元監督が培ったヤクルトの野球を、時代が流れて高津監督が受け継ぎ、ゆくゆくはそんなヤクルトを率いる村上監督という姿にも期待してしまいますね。
まとめ
村上宗隆選手と野村克也さんは、ヤクルトにゆかりのある選手同士ということで、強い結びつきがあったと思います。
時に厳しい言葉を投げながらも、指導者として確かなアドバイスを送っていたノムさんの教えは、これからの村上選手のプロ野球人生に大きく影響を与え続けていくことでしょう。