プロ野球データルーム

NPBの選手情報・年俸・背番号・FAなどストーブリーグ専門。オフシーズンの暇つぶしにどうぞ。

*

落合博満「大谷翔平の打ち方は真似るな」その理由と真似して良い選手とは?

   

現役時代には三冠王を3度獲得し、監督としてはリーグ優勝4回、日本一1回、指揮を執った8年間全てAクラス入りを果たした落合博満さん。

一方で現在は、大谷翔平選手が特に注目を浴びています。

日本人のメジャーリーグでのシーズン本塁打記録を大きく塗り替え、海外の選手と最後までホームラン王争いを展開し、メジャーリーグでMVPを獲得した大谷選手。

今、多くの子供や野球人たちが、大谷選手に憧れてそのバッティングフォームを真似ているのではないでしょうか?

しかし落合さんは、あるラジオ番組で大谷選手について、その打ち方は称賛しつつも真似してはいけないと発言したのです。

大谷選手のような打者になりたいと、彼の真似をしていた人にとってはショックな発言だと思いますが、その真意は何なのでしょうか?

大谷翔平のバッティング

落合さんの時代、バッティングは基本的にダウンスイングが推奨されました。

その名の通り、上から下へ打ち下ろすようにスイングすることで、「これ以外のスイングをしていた人たちはすぐ直された」と落合さんは語ります。

今現在野球をやっている人の中でも、そういう風に教わった選手は多いかもしれません。

落合さんはダウンスイングについて、川に喩えて解説しました。

水が山の上から下に流れる際、だんだん下に流れていくにつれて水の勢いが強くなり、速度が上がっていきます。

バットスイングも同じで、上から下へ振り下ろすことであまり力がなくても自然にスピードが増すのです。

しかし一方で、大谷選手はアッパースイングを用いています。

大谷選手に限らず、現在メジャーリーグではフライボール革命と言って、下から上にすくいあげるような打ち方で遠くに飛ばすことがトレンドになっています。

メジャーではデータ分析が先鋭化し、1人1人の打者に対して極端な守備シフトを敷くことが多くなりました。

これを受けて守備側が絶対に捕れないような、高く上がった打球をより遠くに飛ばした方が点が入るだろうという考え方から、フライボール革命が広まって行ったのです。

ただ、このアッパースイングをモノにするには、相当な筋力を必要とします。

落合さんが川の流れに喩えた解説からも分かるように、水流に逆らうには大きなパワーを要するのです。

また、他にも、ボールに対して点で捉えるか線で捉えるかの違いがあります。

ダウンスイングというと、上から斜めに振り下ろすイメージがあるかもしれませんが、実際に打つ直前には平行にバットが出ます。

すると、バットが平行に出ることによって、ボールの当たる面が多くなるので、線で捉えることができます。

一方でアッパースイングは、下から斜めに振り上げることによって、バットに当たる部分が少なくなり、点で捉えることになります。

このためバットにボールが当たりにくくなり、三振も増えてしまいます。

その点を見極め、スイートスポットに当てることができれば、より遠くへ飛ばすことができるのです。

落合さんは大谷選手のアッパースイングについて、

「彼はこの打ち方で結果を残したのだから誰も文句の言いようがない」と称賛したものの、その後に

「他の人に、あの打ち方を真似しろとは言えない」と語りました。

大谷選手だけが持つ体格や身体能力だからこそ辿り着けた境地であり、普通の人の身体や能力では難しいということです。

実際、大谷選手の身長と体重は、公式プロフィールによると身長193cm、体重103cmとされています。

現代の日本人男性の平均身長は170cmほどとされているので、明らかに日本人離れした体格であることが分かります。

そんな大谷選手独自の打ち方は、普通の日本人では確かになかなか真似できないのかもしれません。

落合さんは掛布さんとのラジオでの対談で、最後に「ダウンスイングでも体はレベルスイングで回っていることが1番大事」と話していました。

今野球をプレーしている人たちは、改めて自分のバッティングを見直してみると良いかもしれませんね。

神主打法

大谷選手以外にも、落合さんはかねてからプロの打ち方はあまり真似しない方が良いと、プロ野球の試合の解説などでも語っていました。

では、落合さんご本人の打撃はどうだったのでしょうか?

合さんは現役時代、「神主打法」と呼ばれる打ち方で打席に立っていました。

神主打法とは、打者が両足のつま先をバッターボックスのラインに対して平行に置き、バットを体の横、あるいは体の正面に立てて、懐を広くして構えて打つ打法のことです。

神主がお祓いなどの儀式の時、「大幣」という白い紙束がついた棒を振っている様子に似ていることから、このような名前になりました。

神主打法のメリットは、バットがボールに当たるインパクトの時に、ボールに伝える力が大きくなる事と、投手の投げ分けに対する対応力が高くなる事です。

全身をリラックスさせて構えることで、スイングの瞬間に全身の筋肉が一気に動かされることで、より大きな力をボールに伝えられるようになります。

ただデメリットとして、タイミングの取りにくさやバットコントロールの難しさがあげられます。

そして、落合さんは自身のこの打ち方も真似をしてはいけないと語ります。

理由としては、フォームが固まっていない選手がこの打法を取り入れてしまうと、トップの位置が毎回変わってしまい、バットコントロールが困難になってしまうからです。

落合さんは、もしこの打ち方を取り入れたいのであれば、バスターで打つ練習をしてからやった方が良いと語ります。

バスターとは、バントの構えから打つ構えに切り替える打ち方のことです。

神主打法の弱点はトップの位置が毎回変わってしまうことだと紹介しましたが、バスターならばバントの構えから即座にトップが固定されるため、その弱点を補うことができます。

ただ、落合さんはあくまで「神主打法をマスターしたいなら」バスターを先にやれば良いだけだと語ります。

プロ野球選手の打ち方は元々基礎が固まったところから、自分に合うように改良した結果が各々今の形になっているだけであって、それを真似したからと言って自分が本当にその打撃スタイルに合うとは限らないので、プロ野球選手の打ち方は基本的に真似しない方が良いと語っています。

真似してほしいプロ野球選手

そんな中で、落合さんがぜひ真似して欲しい選手を1人あげたことがありました。

それは、「打球の質と打ち方で言えば西武の中村剛也選手」とのこと。

落合さんいわく、中村選手は教科書通りの理にかなっている打ち方なのだそうです。

「おかわり君」というニックネームで有名な中村選手ですが、6度のホームラン王、4度の最多打点、そして8度のベストナインを獲得している一流のスラッガーです。

中村選手ご本人曰く、打つ際にボールの外側を叩くイメージで打っているそうです。

こうすることで打球がスライス回転せずに真っ直ぐ飛び、飛距離が伸びるとのこと。

インコースに投げられた時には詰まってもいいと考えており、内側からバットを出し、ファールにならない角度で手を伸ばさず身体を回しきるそうです。

インサイドは振り切るのではなく、身体を回しきることの方が大事だと語ります。

たとえ詰まっても、「内野の頭を越えれば良い」と思いながら打席に立っているそうです。

基本的に手の操作はいらず、身体全体のバランスで手が勝手にくるイメージをもってくれれば良いとのこと。

この打ち方を、落合さんはぜひ真似してみて欲しいと語ります。

このほか、打撃の神様と呼ばれた川上哲治さんの打ち方も真似して良いと語ったことがあります。

詳しい解説については残念ながら情報が出てきませんでしたが、当時の川上さんの打撃動画などがあればぜひ見つけて参考にしてみましょう。

まとめ

いかがでしたか?

大谷選手などをはじめ、プロ野球選手はもちろん凄いですが、決してその人たちの打ち方を表面的に真似たからといって、自分が打てるようになるわけではありません。

先ほどもご紹介した通り、プロで活躍する人たちは絶え間ない練習を積み重ねて基礎を固めたのち、自分たちに合う打ち方を試行錯誤したうえに独自の打撃フォームを手に入れているのです。

まずはバッティングの基礎をしっかり学び、それを習得してから、自分に合う姿に改良していく必要があります。

打ち方に完全な正解はありません。

自分で試行錯誤を繰り返しながら見つけていきましょう。

 - MLB ,