ダルビッシュ有と張本勲の関係の軌跡!「あのコーナー消してほしい」発言から・・・
「神龍が『1つ願い事を叶えてあげる』って言ってきたら、迷いなくこのコーナーを消してくださいと言う」
日曜日の朝といえば、スポーツ好きの人の中では『サンデーモーニング』のスポーツコーナーだという人も多いかもしれません。
このコーナーは、2021年まで張本勲さんがレギュラーで出演していました。
彼は元プロ野球選手で現役時代、幼少期の事故で右手の小指がない状態にもかかわらず、プロ野球史上最多となる3,085本ものヒットを積み重ねた大打者です。
張本さんのコメントは辛口でお馴染みであり、時にはそれが炎上することもしばしばありました。
そんな張本さんが出演するスポーツコーナーの、現役のメジャーリーガーであるダルビッシュ有投手は消して欲しいと考えていたのです。
張本さんが卒業した時には、VTRで労いの言葉もかけていたダルビッシュ投手ですが、実はこのコーナーに対しては何度も苦言を呈してきたことがありました。
今回は、張本さんとダルビッシュ投手の関係について、ご紹介していきます。
佐々木朗希の登板回避問題
現在は千葉ロッテマリーンズに所属している佐々木朗希投手が、大船渡高校に在籍していた2019年のこと。
夏の全国高校野球岩手大会で同校の國保陽平監督は、準決勝までで既に435球を投げていた佐々木投手の故障の可能性を考慮して、決勝では佐々木投手を登板回避させました。
その結果、大船渡高校は敗退。当時から既に球速は160km/hを超えていた令和の怪物の、甲子園での活躍が期待されましたが、佐々木投手はそれが叶わないまま高校野球人生を終えることになりました。
この國保監督の采配は、野球評論家の間でも賛否両論が巻き起こりました。
そんな中で、張本さんはこの大船渡高校の結果について、「絶対に投げさせるべきだった。怪我を怖がるぐらいならスポーツは辞めたほうがいい」などとコメント。
これを受けてダルビッシュ投手は自身のTwitterを更新。
冒頭でもご紹介した、「神龍が『1つ願い事を叶えてあげる』って言ってきたら、迷いなくこのコーナーを消してくださいと言う」と発言したのでした。
この時の國保監督の判断について、あなたはどう思いましたか?
川崎宗則の打撃成績
元ソフトバンクホークスの川崎宗則選手がメジャーリーグに挑戦し、ブルージェイズに所属していた時のこと。
一時期、彼は打率が.220ほどと低迷していたことがありました。
するとこれに張本さんは、「2割2分くらいだったら野球選手じゃない」とコメントしたのです。
メジャーリーグは野球の最高峰の舞台ですが、日本のプロ野球とは環境が大きく異なります。
試合会場の移動一つとっても、同じアメリカ国内でありながら時差を体感するほどになり、日本でプレーするよりもずっと過酷になります。
海外の選手は日本人よりもずっと体格が良く、球速も打球の速度・飛距離も大きく違います。
そして日本人の場合は、言葉や文化にも適応できなければなりません。
そのため、日本で大活躍した選手といえども、日本の時ほどの好成績を残せないままメジャー挑戦を終えることも少なくありません。
とりわけ、川崎選手は日本人の中でも小柄な方でしたが、それでもメジャーリーグで.220ほどの打率を残すのは客観的にはすごいことのようにも思えますが、張本さんの評価は厳しいものでした。
これに対しても、ダルビッシュ投手はTwitterで反論。
「あのコーナー何のためにあるのかな?貶すため?」などと強い口調で苦言を呈したのでした。
ダルビッシュ投手は川崎選手と親交が深かったこともあり、張本さんのコメントには黙っていられなかったのかもしれません。
のちに張本さんはこの時の発言について、激励の意味だったと釈明しています。
かつて野村克也監督が、「三流は無視、二流は称賛、一流は批難」という言葉を残しましたが、それと同じように愛のムチとしてのコメントだったようです。
このように、何かと意見がぶつかることの多かった張本さんとダルビッシュ投手。
ダルビッシュ投手のTwitterでの発言は、張本さんの耳にも届いていたようで、「言いたいことがあるなら直接言いに来ればいい」と発言したこともありました。
もし可能であったなら、張本さんがレギュラーの時にこの2人が共演しているところも、見てみたかったですね。
サンモニ卒業
2021年をもって、張本さんは20年以上レギュラー出演していた『サンデーモーニング』を卒業しました。
最後のレギュラー出演の時には、イチロー選手やダルビッシュ投手など、たくさんの著名なスポーツ選手がVTRで労いのメッセージを送りました。
その中には、かつて「おやめなさい」と発言されて話題になった、キング・カズことサッカーの三浦和良選手も登場したことが話題になりました。
そして、度々意見が食い違うことの多かったダルビッシュ投手もVTRでメッセージを送り、「お疲れ様でした」労いの言葉をかけました。
時には、張本さんの出演するスポーツコーナーを消してほしいとまで発言したダルビッシュ投手でしたが、それでも根底には張本さんを1人の野球選手として敬意を表する気持ちがあったようです。
張本さんとダルビッシュ投手は、年齢的には祖父と孫と言って良い離れていますが、その中で考え方や物の見方も異なる部分もあったでしょう。
お互いが発する言葉を通して、そこに思惑のずれが発生することもあったかもしれません。
それでも、プロ野球選手として張本さんが残した実績と、同じプロ野球選手としてダルビッシュ投手が今もなお築き続けている実績が、ずれが発生しない事実としてお互いをリスペクトする重要な要素になったからこそ、素直にねぎらうコメントも生まれたのでしょう。
そして、実はダルビッシュ投手は辛辣な発言をしながらも、張本さんのことが好きだという一面もあるようです。
『プロ野球スピリッツ』という野球ゲームで張本さんを4番に据えたり、張本さんの能力を上げたりしているそうです。
熱い議論も、相手に好意を持っていたからこそ生まれたのかもしれませんね。
まとめ
いかがでしたか?
張本勲さんとダルビッシュ有投手は時に厳しいやりとりをすることもありましたが、素直に労をねぎらうこともあり、2人の人間関係は野球選手としても、単純に人としても魅力的に見えます。
この2人のように熱いコメントでぶつかりあえるというのは、それだけ相手に思い入れがあるからとも見え、そこにある野球人としてのリスペクトは本当に深いのだと思います。
2022年をもってサンモニのレギュラーを卒業した張本さんですが、どこかでダルビッシュ投手と直接言葉を交わす機会が、どこかで訪れると嬉しいですね。