清宮幸太郎が暴露した中田翔からの極悪司令「中田さんに蹴れって言われたんです」
2022/04/02
史上最多記録となる高校通算111本塁打という実績を引っ提げ、ドラフト1位で17年に日本ハムファイターズに入団した清宮幸太郎選手。
しかし新人時代に、こともあろうに先輩選手に暴行を加えたことがあるというのです。
「素直でいい子」と周りの評判は上々で、ミスをしても笑顔を絶やさない清宮選手。
欲を言えば一流選手によくあるような、「なにくそ!」という負けず嫌いなところが欲しいとも言われています。
そんないい子と評判の清宮選手が、なぜ先輩に暴行を加えたのでしょうか?
中田先輩の指令
18年9月27日、オリックスとの試合が行われた京セラドームでのこと。
試合前の練習中、日本ハムの井口和朋投手は突然お尻を誰かに蹴られたのです。
振り返ってみると、そこには清宮幸太郎選手がいました。
位置関係からみて、蹴った相手が清宮選手であることは間違いありませんでした。
当時、清宮選手はまだ19歳。
いくら期待の新人とはいえ、後輩に蹴られたのでは井口投手の気持ちは収まりません。
この時、井口投手はプロ入り3年目の24歳。
学年で言えば6つ年上となります。
無礼な行為に井口投手は清宮選手を睨みつけ、周囲に緊迫感が漂いました。
すると清宮選手は、「中田さんに言われたんです!」と、背後に中田翔選手の思惑があったことを暴露しました。
狙われた井口和朋
日ハムの主力選手であり、チームから「大将」と慕われていた中田翔選手。
後輩思いの兄貴分として、以前はシーズン前のノルマを達成した後輩選手に、自腹で「中田賞」を設定。
15年には現在メジャーリーグで活躍している大谷翔平選手に、15勝を達成したお祝いに万年筆をプレゼントしたこともあります。
そんな中田選手ですが、一方で後輩をいじることで自らの配下に置こうとするところがあります。
そんな中で井口投手は、以前から中田選手に目をつけられていた節があり、17年10月には中田選手が井口投手の左足を痛めつけている写真が出回ったりもしました。
その写真には、苦痛の表情を浮かべている井口投手に、ニヤけた顔で中田選手が彼の左足を押さえつけている様子が写し出されていました。
当時入団2年目の井口投手は、前年は37試合に登板して防御率3.86の成績を残しましたが、この年は17試合に登板で防御率5.16と奮いませんでした。
来季こそはと思っているところに、このいじりです。
万が一井口投手が怪我でもしたら、大変なことになります。
また、18年の『珍プレー好プレー大賞』では、中田選手に井口投手がパンチされている瞬間が全国放送されてしまいました。
それでも懲りず、同年の9月には清宮選手を使って井口投手のお尻を蹴ったということになります。
「日ハムに来た以上は俺に従え」
と言ったかどうかは定かではありませんが、球団期待の新人をも手懐けようとした中田翔選手の求心力は、チームでは相当なものがあったようです。
一番弟子への師弟愛
中田翔選手と清宮選手の関係が、よくわかるエピソードをご紹介します。
20年12月に放送された『サンデーLIVE!!』という情報番組で、中田選手は清宮選手のことを目にかけていると語りました。
中田選手は高校時代87本塁打を放ち、鳴り物入りで日ハムにドラフト1位で入団。
清宮選手も高校時代から大きな注目を浴び、ドラフト1位で入団しました。
「やっぱり同じドラフト1位で入って、清宮の方が注目度がすごいですけど、ああやって入ってきてエラーしようがホームラン打とうが、遅刻しようがなにしようが、スポーツ紙の一面ですから。あの苦しさは僕にもありました」
「ファーストとしてはライバルだし、あいつが打ったら僕は試合に出られないんですけれど、清ちゃんに関してはちょっと違う感情が入ってしまうというか、『お前もツラいよな、お前も頑張ってるよな』っていう…。だからなおさら『頑張れ清宮』って思っちゃうんスよね」
中田選手はこのように語っています。
「清宮は僕の一番弟子ってことにしといて、あいつが活躍したら僕の手柄だし、活躍しなかったらチームのせいだから」
このように語る中田選手には、清宮選手に対する深い師弟愛があったようです。
出場停止処分
21年8月11日、日本ハムファイターズは中田翔選手を、一・二軍すべての試合で出場停止処分とすることにしたと発表しました。
その理由は、同年8月4日に行われた横浜DeNAとのエキシビジョンマッチにおいて、開始前に中田選手がベンチ裏で同僚選手に暴力を振るったことが判明したからとのことでした。
被害選手の方から、「大事にしたくない」ということで氏名などは発表されませんでしたが、その後の報道で、先ほど中田選手の指示によって清宮選手が蹴っていた、井口和朋投手だと判明しました。
ベンチ裏で初めは和やかに話をしていた井口投手と中田選手でしたが、突然激昂した中田選手が井口投手の顔面を殴り、続けざまに胸部も殴打。
はずみで壁に腰を強打した井口投手は脳震盪を起こしたとのこと。
この暴行事件で、井口投手は当日登板できませんでした。
中田選手はこの日先発出場するも、1打席立ったところで交代を命じられ、そのまま退場となりました。
もともと中田選手と井口投手は、しょっちゅう食事を共にする仲だったそうです。
そんな中で、井口投手は一軍でもそれなりの実績を残していたものの、このままだと現状維持から脱却できないと考え、次第に中田選手から距離を置くようになりました。
中田選手にしてみれば、
「散々飯を食わせたり飲みに連れて行ってやったのになんなんだ」
という不満があったようで、それが悪い形で爆発してしまったようです。
幸い井口投手の怪我は大事には至らず、事件から4日後には登板しています。
しかし球団側は事件を重くみて、中田選手の無期限出場停止を決定。
その後、中田選手は巨人に無償トレードで移籍することが発表されました。
巨人の球団事務所で開かれた記者会見では、中田選手は髭を剃り、金髪から黒髪に姿を変えた格好で、
「今回、皆さんに迷惑をかけたこと、本当に反省しています」
と謝罪の言葉を述べました。
これにより日ハムでの出場禁止処分は解除され、すぐに巨人での一軍戦に出場することになりました。
まとめ
いかがでしたか?
井口投手にしろ清宮選手にしろ、中田選手は彼なりに後輩思いな一面があったようですが、それが悪い形に転がってしまったようです。
「いじる」というコミュニケーションがありますが、それは時に思わぬトラブルを招くことになりかねません。
今回の場合は、井口投手の脳震盪であったり、中田選手の無期限出場停止処分などとなって、そのトラブルは表面化しました。
こんなことが二度と起こらないことを願いつつ、清宮選手と井口投手、そして新天地に移籍した中田選手がそれぞれ活躍することに期待したいですね。