落合博満、佐々木朗希のある欠点を危惧!「時間がかかりそう」
22年4月10日、28年ぶり史上16人目の完全試合を達成した佐々木朗希投手。
高校時代から「令和の怪物」として注目されていましたが、高卒3年目にしてとんでもない偉業を達成しました。
しかしそんな佐々木投手がプロ入りする前、落合博満さんは
「佐々木は時間がかかる」と評価しています。
名選手であり名監督でもあった落合さんから見て、佐々木投手はどこに問題があったのでしょうか?
高卒選手の時間
冒頭で紹介した発言は、19年に放送された『戦え!スポーツ内閣!』に出演した際に言った発言です。
19年のドラフト会議で誰を指名するかという話題の中で、当時一番の目玉だった佐々木投手について議論が交わされていました。
その際落合さんは佐々木投手について、
「時間かかるでしょ。将来的にローテに入る投手になると思うけど、今すぐなのって言われるとクエスチョンマークがつく。試合で投げてないわけだから。ひっかかるのは指のマメね」
と、右手中指の血豆を不安視する発言をしていました。
佐々木投手は高校日本代表に選ばれた際に、血豆の影響で登板できなかったという過去があります。
落合さんはそのことを危惧しているようです。
つまり落合さんは佐々木投手について、将来先発ローテーション入りする投手ではあるものの、即戦力というわけではないと見ていたのでしょう。
確かに高卒の投手で即戦力になるのは、かなり難易度が高いです。
平成以降、高卒1年目から二桁勝利した投手は、松坂大輔さん、田中将大投手、藤浪晋太郎投手の3人しかいません。
佐々木投手も、ポテンシャルで言えばこの3人に劣らないとは思いますが、高卒1年目からすぐにローテーション入りできるかどうかは、実際にプロの世界で投げてみないと分かりません。
また落合さんは、
「プロとして野球をするのは、アマチュアとはまったく違う」といった持論も持っています。
あるインタビューで、彼は次のようにコメントしています。
「ドラ1って即戦力と考えがちだけど、アマチュアの選手は1年間野球やったことがない。プロの世界では体力のつけ方が違う。アマチュアは学業や会社の仕事があったりして、余暇の時間でやる野球。プロは1年365日24時間野球でサイクルを回さなきゃいけない。」
こういった背景もあって、佐々木投手は時間がかかると発言したのでしょう。
落合さんが予想していた通り、佐々木投手の1年目は一軍はおろか、二軍でも登板がありませんでした。
一軍に同行し、吉井理人投手コーチのもとで一軍レベルの体づくりに終始していました。
そんな中で、2年目でついに一軍デビュー。
その後は間隔を空けながら、慎重な起用での登板。
結果シーズン成績は11試合で3勝2敗、防御率2.27。
CSでも快投し、覚醒の兆しを見せる活躍をしました。
そして、22年4月に完全試合を達成。落
合さんは自身のYouTubeチャンネルで、佐々木投手に祝福のコメントを寄せました。
「すごいことやったね。完全試合もすごいけど、13者連続三振も球界に残る記録だからね。3ボールになったのも1回だけ?普通、完全試合をやる時は危ない打球があるけど。それらしき打球もなかったってことはね」
佐々木投手は時間がかかると予想していた落合さん。
その予想はあっていましたが、まさか3年目にして完全試合をやるとは思わなかったでしょう。
それだけ、佐々木投手は異次元だったということでしょう。
現在の佐々木朗希
佐々木投手といえば、最速164km/hを誇る直球が武器です。
しかし落合さんは、「何キロ出したかは関係ない」と言います。
22年3月、この年初登板となった佐々木投手は、楽天戦でプロ野球歴代4位となる自己最速の164km/hをマーク。
2021年8月に、巨人のビエイラ投手がマークしたプロ野球記録の166km/hに、あと2km/hと迫る投球を見せました。
このことについて尋ねられた落合さんは、
「いずれ166km/hの記録は塗り替える」と佐々木投手の日本記録超えを予想。
一方で、常に速球が注目を集めていることに対しては、
「ただ監督とすれば、何キロ出したかは関係ない。要は勝てる投手にならないと。マスコミが騒いでるだけですよ」
と苦笑いの表情を見せていました。
落合さん個人としては速い球を投げるかどうかより、勝てる投手になることが大事ということのようです。
確かに、球が速いだけではプロの打者を抑えることはできません。
そういう意味では、最速記録にこだわる必要はないのかもしれません。
また、落合さんといえば現役時代に3度の三冠王に輝いたことのある、歴代でも屈指のバッター。
そんな落合さんがもし佐々木投手と対戦したら、どう攻略するのでしょうか?
これについては、このようなコメントを残しています。
「全打席まっすぐ一本だけ狙っていきます。変化球には目もくれません」
また、「160km/h以上の速球はどうするのか?」という問いに対しては、
「スピード感に慣れることでしょうね。今、日本で160km/h台を投げるのは佐々木くらい。スピードの緩急という戸惑いは各打者が持っている。だから攻略するといったら、まっすぐか変化球に絞る。どっちかといったらまっすぐ一本のほうがいいんだろうと思います」
と回答しました。
落合さんは変化球を捨て、まっすぐ一本に絞って攻略するとのこと。
もう落合さんが引退してしまった以上この対戦は決して実現しませんが、どっちに軍配が上がるか視聴者の皆さんはどう思いますか?
まとめ
いかがでしたか?
落合さんが予想した通り1年目の佐々木朗希投手は、一軍でも二軍でも一切登板しませんでした。
しかし、2年目に一軍デビューし11試合に登板。
そして3年目には開幕ローテーション入りを果たし、完全試合を達成するという快挙を果たしました。
落合さんも、まさかこんなに早く台頭するとは思っていなかったでしょう。
それだけ佐々木投手のポテンシャルがすごかったということでしょう。
完全試合を達せうした次の登板の日ハム戦、佐々木投手は8回までパーフェクトピッチングをしながらも途中で交代。
打線の援護に恵まれなかったとはいえ、2試合連続完全試合目前のところでの降板というのは、評論家の間でも物議を醸しました。
落合さんも監督時代、07年の日本シリーズで山井大介投手が8回まで1人のランナーも許していなかった中、奇しくも今回の佐々木投手のように完全試合目前で彼を降板させたことがあります。
のちにこれは、山井投手の指にできていた豆が潰れてしまったため、と言われています。
佐々木投手はまだ高卒3年目。
まだ20歳の投手が2試合連続で1人のランナーも許さなかったということを考えると、この先まだまだいくらでも完全試合できるチャンスがありそうです。
佐々木朗希投手の今後に期待したいですね。