栗山英樹が球審の白井に「審判やめろ」と激怒した理由がこちら・・・
22年4月24日のオリックス対ロッテ戦。
この試合は、直前の登板で完全試合を達成した佐々木朗希投手が先発だったこともあり、多くの人が注目していました。
しかし、試合後に最も注目が集まったのは佐々木投手ではありません。
この試合の主役となってしまったのは、球審を務めていた白井一行さんです。
球審の白井さんは、自分の判定に不満げな態度をとった佐々木投手に対し、マウンドに詰め寄って怒りをあらわにしたのです。
そんな白井さんですが、過去に何度も誤審をしでかしたことでも有名です。
球審を務めている時の、大きなストライクコールが特徴的な白井さんですが、過去には当時日本ハムファイターズの監督を務めていた栗山英樹さんから、
「審判やめろ」とまで言われたことがあるのです。
温厚な栗山さんを怒らせるほどの誤審とは、一体何なのでしょうか?
栗山英樹ブチギレ?
白井さんは、過去にある誤審がキッカケで日ハムの監督だった栗山さんから激怒されたことがあります。
それは13年5月25日の、日本ハム対阪神戦でのこと。
1-0と1点リードで9回を迎えた日ハム。
武田久投手の投球は、阪神の浅井選手のバットのグリップエンドに当たったかに見えました。
浅井選手自身も痛がった様子などは見せず、次の投球に備えようとします。
しかし、球審の白井さんはこれを死球と判定。
この判定に納得いかなかった栗山さんは、白井さんに顔と顔が接触しそうなほど近づき、猛抗議します。
そして栗山さんは、
「あれが死球なら審判を辞めろ。俺を納得させられないのなら退場させてくれ」
と暴言をはいたのです。
この発言に対し、白井さんは栗山監督に対して退場を宣告。
栗山さんは就任2年目にして、初めて退場させられたのです。
栗山さんは「あの場面で痛がることのない死球などない」と猛抗議しましたが、結局判定が覆ることはありませんでした。
試合後、「『バカヤロー』『コノヤロー』などとは言っていない」と主張したうえで、
「『審判やめろ!』とは言ったかな」と振り返っていました。
この発言に対して反省はあったものの、判定に至る経緯への不満は消えなかったようです。
結局、栗山さんが退場した直後に日ハムは逆転サヨナラ負けを喫してしまいました。
栗山さんは、「どうしても勝ちたかった。結果的に選手には悪かった」
と自身の退場について反省していました。
球審の白井
元NPB審判部副部長の五十嵐洋一さんは、白井さんが佐々木投手に詰め寄った試合について、
「白井君らしいなと思いましたよ。彼は真面目で熱いところがありますから」
と白井さんをフォロー。続けて、
「私が現役だった頃なんてしょっちゅうありました。ボールの判定を不満に思い、私の方を振り向いた捕手に対して『前向いてやれ!』と一喝したり、やじを飛ばしてきたベンチに『文句たれんとやっとけ!』と注意したこともありました。あんまり頭にきた時には、『次ど真ん中投げてきてもボールにしてやろう』と思ったこともあります。どんな状況でも冷静かつ正確に判定しなければいけないのが審判ですが、そこは私たちも人間です。私たちの先輩審判たちの時代には『判定でプロの厳しさを教えてやったぜ』なんて話も聞いたことがありますし、白井君にはそんな昔ならではの審判気質が残っているのかもしれませんね」
とコメントしています。
選手からしたらたまったものではありませんが、白井さんには彼なりの哲学や信念があるのかもしれません。
ただこれ以上誤審のないように、十分注意してほしいものです。
白井さんについては、その後の対応も問題視されました。
試合後の取材対応を求める報道陣に対して白井さんは、
「話すようなことはありません。一切コメントしないです」と拒否。
説明責任を放棄した姿にも批判が殺到しました。
確かに、審判には毎試合取材に対応する義務はありません。
しかし、過去にも物議を醸しかねない判定が下された際には、多くの審判員がメディアに対して口を開き、十分な説明をしてきました。
これだけ大きな騒動を起こしておきながら悪びれた様子を一切見せず、
「俺はなにも悪くない」
とでも言いたげな態度からは、メディアやファンへの誠意は一切感じられないでしょう。
確かに、佐々木投手の態度にも問題はあったのかもしれません。
しかし、40歳を超えた大の大人が20歳の若い選手に詰め寄り、制止した18歳の捕手にまで恫喝したとなっては、プロ野球のイメージダウンにもなりかねません。
なお、白井さんに対して日本プロ野球機構(NPB)はおとがめなしと言う方針を固めています。
NPBの関係者によると、
「判定に不服を表した選手に対して注意を与えるのは審判の権限。注意の仕方があの場面にふさわしかったかどうかは、各自の反省に任される部分。今の世間の反応を見て、考えることはあるんじゃないか」
と暗に白井さんに反省を促しつつも、注意なども行う予定はないということです。
また、現在メジャーリーグのパドレスに所属するダルビッシュ有投手は、自身のSNSで次のように述べています。
「誤審といいますが、テレビで見てる分には判定は簡単です。ですがあの場にいて、リアルタイムであれだけ誤審が少ないのは本当にすごいです。元プロ野球選手が審判とかすると誤審連発なので、自分からするとプロ野球の審判は全員化け物です」
ダルビッシュ投手は、「誤審はしょうがない」といったスタンスで、白井さんを擁護しました。
また、「選手は感情を態度に出してなかった」と佐々木投手の態度について触れたリプライに対しては、
「出してなかったら怒らないです」とコメント。
そのほか、審判の技量の低さや態度を批判した投稿には、
「プロの審判やってから言いましょう」と切り捨てていました。
色々な意見があるようですが、視聴者の皆さんはどう思いましたか?
まとめ
いかがでしたか?
以前から誤審が多く、物議を醸してきた白井一行さん。
人間である以上、誤審が起きるのは仕方のないことです。
しかし、正確かつ冷静にジャッジしなければならない立場の審判が、怒りのまま選手に詰め寄る姿や、試合後に説明責任を果たさないかのような態度は、決して良い印象を与えないでしょう。
今回の騒動によって、かねてからファンの間などで提唱され、メジャーリーグ傘下のマイナーリーグでもテストで実装されている、審判の機械化に関する話題も再燃し始めています。
しかし、それはもし審判が機械化されれば、今審判として仕事している人々が職を失う可能性も孕んでおり、いわば自分の首を絞めることにもなりかねないのです。
今後はこういったことがないように、正しく冷静な態度でジャッジしてほしいものですね。