プロ野球データルーム

NPBの選手情報・年俸・背番号・FAなどストーブリーグ専門。オフシーズンの暇つぶしにどうぞ。

*

ソフトバンクの甲斐野央投手、新人王なるか!?球種や球速を大解剖!

   

 2018年にドラフト1位でソフトバンクホークスに指名された甲斐野央(かいの ひろし)投手は、契約金1億円+出来高払い5,000万円、年俸1,500万円で契約合意して入団しました。1996年11月16日生まれ、兵庫県出身で東洋大姫路高校から東洋大学に進学しています。

 159キロの速球を武器に、大学日本代表で抑えを任されるほどになり、在学中の活躍や東洋大学のリーグ制覇もあり、ドラフト1位指名候補として名前が挙がるようになりました。

 将来的にはソフトバンクの抑えを目指しているという甲斐野投手の球種や球速について、そして2019年パ・リーグ新人王になれるような活躍ができるのかを考察してみましょう。

球種・球速

 甲斐野投手の最大の武器は、最速159キロのストレート。1月の自主トレーニングの時点で常時150キロを超えており、受けたブルペン捕手によれば「カット、またはシュートしたりして強いまま変化しており、捕りにくい」とのこと。

 ストレートがシュート回転するのはマイナスとも言われますが、彼の場合は150キロ後半でのシュート回転なので、打者にとっては相当打ちづらい球になっているようです。2月のキャンプではチームの中心施主である柳田悠岐選手のフリー打撃に登板し、ストレートのみ20球を投げて安打性の打球は1、2本。

 バットをへし折る場面もあり、柳田選手はほとんどの球に差し込まれていたそうです。2月という時期は、基本的に打者はあまり調整が進んでおらず、投手有利の時期と言われます。しかしそれでも、あの柳田選手に対してこの投げっぷりということから、十分にプロで通じることを示したと言えます。


 また、同じくフリー打撃で相手を務めた上林誠知選手によれば、低めに決まった球は特に伸びる感じがあり、そのことからもバットが折れてしまうのであろうと話しています。さらに走者がいる場面で、クイック投法で投げた場合でも150キロ中盤の球速を出せることが分かっています。

 これについてある他球団のスコアラーは、「スピン量が多い。短いイニングであれば力を発揮できる」と評価しています。そんな中で、3月16日の横浜DeNAとのオープン戦では9回に登板し、3人でピシャリと抑えてセーブを挙げました。この時ストレートは全て155キロを超えており、試合後すぐに工藤監督が開幕1軍を明言するほどでした。

 そのほか、甲斐野投手はスライダーも投げますが、この球はカウント稼ぎに使うことが多いようです。主に決め球に使う球種は、落差が大きいフォークボール。

 140キロ前後出ることもあり、動く150キロ以上のストレートに140キロ台のフォークがあるとなると、打者にとっては相当厄介なボールとなりそうです。キャンプの時のシート打撃で、甲斐野投手相手にフォークで三振を喫した甲斐拓也選手は、「決め球で使える」と評していました。

新人王なるか

 2019年、全ルーキーの中で最も早く勝利投手になった甲斐野投手。ドラフト制後におけるデビューからの無失点新人記録を、13試合に更新するなどの活躍を見せています。これほどまでの活躍ぶりを見ると、新人王を獲れるのではと期待したくなりますよね。

 彼の役割はセット・アッパーなので登板数、ホールド数、防御率などが新人王への大きな判断材料になるでしょう。目安ですが1年目の投手が50試合登板、30ホールド、防御率2点台をクリアすれば新人王の候補として名前が挙がってくるとされます。

 評価される数字を残す為には、シーズン通して登板し続けることが重要ですが、一番のポイントはアマチュア時代には経験がないであろう、連戦続きからくる疲労の蓄積とどう付き合っていくかになるかもしれません。先ほど述べた無失点新人記録は、14試合目の楽天戦で2本の本塁打を打たれたことで途切れました。

 8回表、代打で出場した山下斐紹選手に、152キロのストレートをバックスクリーンへ運ばれたのです。これがプロ初被弾・初失点となります。さらに、茂木栄五郎選手には151キロのストレートをレフトスタンドに運ばれ、同点としてしまいました。本塁打を打たれた直球はいずれも高め

 そしてその後、5月8日と5月9日にも失点して3試合連続失点。特に9日は、サヨナラヒットを打たれたことでプロ初黒星も喫してしまいました。開幕から1ヶ月以上がたち、他球団に研究されたこともあるかもしれませんが、「球が高めに浮き出しているのは下半身の疲労が大きいだろう」と見る解説者もいます。

 また、プロではどの回で登板する分からないことから、登板準備の仕方に悩んだという甲斐野投手。精神的な疲労も重なったかもしれません。打たれた時にどう立て直していくのかは、プロではとても重要な要素です。これに関連して、論家でホークスOB山内孝徳氏が「馬力で投げている」と語っており、ここに鍵がありそうです。

 甲斐野投手はキャンプの時、ストレートを生かすために工藤監督からカーブを教わっていました。「うまくカーブを使うことが出来れば打者の目先を変えられるし、カウントを稼げれば投球が楽になる」と、115キロ前後のカーブを練習していたのです。カーブで緩急をつければ、ストレートとの球速差は40キロ近くになり、より投球の幅が広がるでしょう。

 今後の課題と言うべき疲労が蓄積した時の投球として、「ごまかしで打者を抑える球種が欲しい」と解説されています。疲労をうまく流すためにも、緩急を使ったピッチングを会得できるかどうかが、新人王への鍵となるかもしれません。シーズン後半の活躍が、投票に大きく響く新人王。これから暑くなる季節に向けて、甲斐野投手の投球に注目しましょう。

まとめ

 東洋大学のチームメイトである上茶谷大河投手は、横浜DeNAベイスターズにドラフト1位で選ばれ、すでに先発ローテーションの一角を担っています(詳細はこちら)。同じく東洋大学の梅津晃大投手は、中日ドラゴンズにドラフト2位で、中川圭太選手はオリックス・バファローズにドラフト7位で指名されています。


 甲斐野投手は、上茶谷投手の登板が刺激になっていると言いますが、現状ではこの中で一番の存在感を見せていると言えそうです。12球団随一と言われるホークスの投手陣の中で、現在はセット・アッパーとして勝利の方程式の一角を担っていますが、将来のチームの守護神として期待したいですね。

 - ドラフト , ,